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かみあわないノーマ|アン・カーソン(小磯洋光訳)
¥3,850
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かみあわないノーマ(原題:Wrong Norma) アン・カーソン(著), 小磯洋光(訳) "詩をつくる"ことの極致 切り展く25篇 荘厳なのにユーモラス。古典的なのに驚くほど新しい。 世界文学に比類ない軌跡を刻むアン・カーソン。 詩の可能性を押し広げる英語圏最高峰による最新詩集。 ―――透徹した歴史への眼差し 2024年度 全米批評家協会賞受賞、NYタイムズ・ベスト・ポエトリー・ブック選出 本書に収録されている25篇の作品は、ジョセフ・コンラッド、グアンタナモ、フローベール、雪、貧困、ロジェ類語辞典、土曜の夜といった実に様々なものがテーマ。狐やジョン・ケージなども登場する。散文詩、定型詩、会話詩、レクチャーパフォーマンスのテクストなどの形式で、自由自在に描かれている。また本書は、著者自身が手掛けたドローイングやイメージの断片も収録。ノーベル文学賞受賞が期待される詩人による現代世界文学注目の一冊。 基本情報 ジャンル|詩 版元|thoasa 刊行日|2026年1月10日 ISBN|978-4-9909693-4-9 仕様 サイズ|128×210mm 頁数|250頁 形式|並製本 言語|日本語 デザイン|柳川智之 印刷・製本|株式会社イニュニック “かみあわない夜、かみあわない都市、かみあわない映画。かみあわない救急車がサイレンをけたたましく鳴らして通り過ぎながら、かみあわないノーマ・デズモンドのかみあわない自問自答をかき消す、これ以上にかみあわないことがあるものか――この人は同い年なのか、この溶けかけた顎をした落ちぶれは、私はスイッチを消し、スープを飲んで小説を読む。” ―――「かみあわないノーマ」より 目次 1=1 ジョゼフ・コンラッドとの夕べ クライヴの歌 親愛なるクリトン エディ フローベール再び 行く末、連邦裁判所、月 気晴らし スカイライティング史講義 かすかなざわめき メヒコ! なんて素敵な夜だろう ホメロスとジョン・アシュベリーについてのショートトーク 貧困REMIX (セスティーナ) 大人になってからの土曜の夜 雪 訪問者たち 脅し パート1:我らは骨を突きつける 脅し パート2:旅人のためのアスピリン 脅し パート3:ヘルダーリンにおける泳ぎ 「まだ始まったばかりだよ」 あなたの好きなところはね 全体性をどう語ろうか トートナウベルク かみあわないノーマ 訳者あとがき 著者略歴: アン・カーソン(Anne Carson) 詩人、古典学者、翻訳家。1950年生まれ。カナダ・トロント出身。代表作は『赤の自伝』や古代ギリシアの詩人サッフォーの詩の現代語訳など。T・S・エリオット賞、グリフィン詩賞など、数々の賞に輝き、英語圏を代表する詩人の一人として目されている。最新詩集『かみあわないノーマ』で2024年度の全米批評家協会賞を受賞。 訳者略歴: 小磯洋光(こいそ・ひろみつ) 東京生まれ。翻訳家、詩人。イースト・アングリア大学大学院文芸翻訳科および創作科修了。アン・カーソン、オーシャン・ヴオン、テジュ・コールなどの作品を訳す。『現代詩手帖』、米文芸誌『POETRY』などに詩を発表。
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そだつのをやめる|青柳菜摘
¥2,750
※『そだつのをやめる』初版はオンライン販売分完売いたしました。 こちらの商品は、後日増刷される第2刷の予約販売です。 発送時期は仮ですが、確定し次第SNS等でお知らせいたします。 ------ 青柳菜摘による二冊目の詩集。37篇所収。初版300部。 コ本やの出版部門であるthoasaより発行。 — 雨は山になりつつあった 雷が息を殺す アプリが三十分後にぼくは眠ると言った だけどもうすこし粘ってささやく雷を聴く 声がセミからして 雨がやんだ跡が山になって 大航海をすませたセミが 精一杯鳴く声がする 「鳴くことは喋ることじゃない」 だから尺度を探してぼくを見てほしい 雷が鳴いた — 造本設計、装幀 柳川智之 編集 和田信太郎 発行 thoasa 19.5×21cm|118p|2022年|ドイツ装(無線綴じ)|日本語 --------------------------------------- 青柳菜摘(あおやぎ なつみ) 1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観客がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。 2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「亡船記」(十和田市現代美術館, 2022)、「家で待つ君のための暦物語」(東京藝術大学大学美術館, 2021)、オンラインプロジェクト「往復朗読」(2020-継続中)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing, 2016)、小説『フジミ楼蜂』(ことばと vol.3 所収, 2021)、詩集『家で待つ君のための暦物語』(2021)がある。コ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。 http://datsuo.com --------------------------------------- 目録 ユキちゃんユキちゃん 土のなか吐いて潜る 製紙工場の白い紙 体温のない吐息 ソテツはぼくの名前 メロンソーダの巣 夜の箱 製紙工場の白い紙 放射線ドッヂボール 夕暮れの黒い土手 風呂モニュメンタル メロンソーダの巣 夜の箱 鍵あなのドジョウ セミ はしごの先 待ちあわせ 飲んでいるふり グラウンド・タイム・スケープ 夕日を見ない 手のなかのチョウ 三本のチョコバナナ 外側の動物園 夜の箱 中学二年生 死んでない ジェットエンジン さがしもの 遠くから見る現在地のピン 授業予知 土のなかのチョウ 小さな虫大きな虫 空気のかたち 雨がみえなくなる未来 ただ光るだけのLED光が照らさない 鍵、手のひらのチョウ